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【安心安全講座】積乱雲がもたらす急な大雨や雷にご注意を!
朝は晴れていて、とてもよい天気だったのに、午後から急に急変して、突然雷雨が……といったことが増えています。
その原因は、積乱雲です。積乱雲が発達すると、「急な大雨」「雷」「ひょう」「竜巻」などの現象を引き起こし、災害の発生にもつながってしまいます。
屋外で活動する際は、天気予報の情報をこまめにチェックし、天気の急変などの場合には速やかに安全を確保することが大切です。
積乱雲って、どんな雲?
積乱雲とは、強い上昇気流によって鉛直方向に著しく発達した雲をいいます。高さは10kmを超え、成層圏まで達することもあります。水平方向の広がりは数km~十数kmです。
一つの積乱雲がもたらす大雨や雷などの現象は、30分~1時間程度で局地的な範囲に限られます。
積乱雲は大気の状態が不安定なときに発生しやすくなっています。
大気の状態が不安定とは、上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態のことです。
温かい空気は上へと昇り、冷たい空気は下へと降りようとするため、対流が起きてしまうのです。
また地上付近の空気が湿っているときは、さらに大気の状態が不安定となり、積乱雲が発達しやすくなります。
夏によく見られる入道雲も積乱雲です。
積乱雲による災害と、身を守る方法
積乱雲がもたらす大雨は、雷を伴い、短時間に狭い範囲で激しく振ります。いつもはおだやかな川が、急に激しい流れになったり、地下に水が流れ込むといった危険があり得ます。
また雷は、周囲より高いものに落ちやすいという特徴がありますから、グラウンド等の開けた場所にいると、直接人体に落雷するおそれがあります。雷の直撃を受けると、約8割が死亡するといわれています。
また木の下で雨宿りをしていると、木が受けた雷が人体に飛び移ることがありますから、注意が必要です。
日本ではあまり見られないとされる竜巻も、積乱雲を原因として発生することがあります。日本では、平均して年に25個程度、竜巻の発生が確認されています(海上を除く)。
これら突発的な災害に対して身を守るためには、以下の点に留意しましょう。
・気象情報をこまめに確認する
お出かけする際は、天気予報をこまめにチェックしてください。「雷を伴う」「大気の状態が不安定」「竜巻などの激しい突風」などの言葉が使われていたら、 天気の急変に備える必要があります。
・積乱雲が近づいてきたら見逃さない
積乱雲は特徴的な外観をしているため、見分けやすい雲です。もくもくと沸き立つカリフラワーのような形です。
さらに発達すると、てっぺんが開き、きのこのような形になっていきます。
また、真っ黒い雲が近づいてきた、雷の音が聞こえてきた、急に冷たい風が吹いてきた、なども積乱雲が近づいてきたサインです。
・もし積乱雲が近づいてきたら?
積乱雲が近づいてきたサインに気が付いたら、速やかに安全な場所に避難しましょう。一つの積乱雲がもたらす激しい現象は大体30~1時間程度で弱まることが多いため、気象情報をチェックしながら、安全な場所で積乱雲が過ぎ去るのを待ちます。
とくに広いグラウンドや公園、畑、渓流、河川敷、地下を通る道路など、危険が起きやすい場所から離れるようにしてください。
・「まさか」「自分は大丈夫」と思わない
災害は突然やってきます。「まさか自分が」とは思わず、安全第一の行動を心掛けましょう!